- シニア調査
作成日:2025.02.28 最終更新日:2025.03.03
シニア向け会場調査を成功させたい!具体的な方法・メリット・コツを解説

高齢化社会が進む日本において、シニア層の消費市場は、今後も拡大すると予測されます。
そのため、シニア層のニーズや価値観に対する理解は、企業の成長戦略において不可欠です。また、会場調査はシニア層のリアルな声を直接聞き取れる貴重な機会だといえます。
そこで本記事では、シニア向け会場調査・アンケート調査を効果的に実施したい企業に向けて、具体的な手法やポイントを解説します。
目次
コスモラボの会場調査
コスモラボは、全国150か所以上で体験会場を運営し、年間400万人もの来場者数を誇る会場調査のエキスパートです。シニア層への調査に強みをもち、豊富な実績と独自のノウハウを有しています。
【コスモラボが選ばれる3つの理由】
1、健康意識の高いシニア層へのアプローチ
- 来場者の約半数が、70代以上の「健康・予防に関心の高い」アクティブシニア
- 商品開発やマーケティングに活かせる、質の高い意見を効率的に収集
- 年齢層に偏りのない幅広いデータ収集が可能
2、具体的な使用感を調査
- サンプル品の提供から使用後の詳細なヒアリングまで対応
- 実体験に基づく具体的なフィードバックを取得
3、専門スタッフによる手厚いサポート
- シニア層とのコミュニケーションに長けた専門スタッフが対応
- 安心・安全な調査環境を提供
より詳しい内容は、資料請求にてご確認いただけます。
そもそも会場調査・会場リサーチとは?
会場調査・会場リサーチとは、特定の場所に参加者を招集し、対面で調査を行う手法です。参加者とコミュニケーションを取りながら、詳細な情報収集ができることも特徴です。
会場調査の代表的な方法として、以下が挙げられます。
インタビュー調査
インタビュー調査は、参加者から直接的に意見を聞き取る調査方法として、広く活用されています。複数名のモニターが参加するグループインタビューでは、参加者同士の意見交換から、思わぬ気づきや発見が生まれることもあるでしょう。
健康や金銭的な話など、デリケートな話題を取り扱う場合には、プライバシーに配慮した一対一の個別調査が効果的です。リラックスした環境で話せることで、本音を引き出しやすくなります。
アンケート調査
アンケート調査とは、用意した質問に回答してもらう手法です。会場でのアンケート調査は、オンラインとは異なる特徴があります。調査員が参加者の目の前で説明するためわかりやすい言葉で補足説明できるなど、きめ細かな対応が可能です。
回答者の表情や態度もチェックできるため、答えに迷う様子が見られれば、その場で不明点を説明できます。会話を通じて、背景にある理由や具体的なエピソードを引き出すことで、回答についての理解がさらに深まります。
サンプリング・製品テスト調査
サンプリング・製品テスト調査は、実際の商品やサービスを体験してもらい、使用感や満足度を評価する手法です。
試作品のテストや競合製品との比較もでき、具体的な改善点を把握しやすいことが特徴です。言葉では伝えにくい「押しづらさ」「見えづらさ」といった不便さを、実際の使用場面で示してもらえるでしょう。たとえば「この文字、老眼だとぼやけて読めない」など、身体変化を踏まえた指摘が得られ、シニアフレンドリーな製品開発に役立ちます。
会場調査・会場リサーチを行うメリット
オンライン調査が主流となった昨今でも、会場での対面調査には大きな価値があります。具体的なメリットは、以下の通りです。
リアルタイムの反応を収集できる
会場調査では、参加者の反応を五感で把握できます。質問への答えだけでなく、「商品を手に取る仕草」「パッケージを見たときの動き」など、カメラでは捉えきれない立体的な反応を、空間全体を通して観察できます。
また、調査員は参加者の様子に応じて、その場で質問を変えられるため、本質的な課題の発見にもつながるでしょう。新商品やサービスの評価では、臨機応変な対応から、予想外の発見が得られることもあります。
デジタルリテラシーの低い人も参加できる
会場調査は、デジタル機器の操作スキルを問うケースが少ないことから、デジタルリテラシーが低い人も参加しやすいでしょう。スマートフォンやパソコン操作に不安がある人でも、来場するだけで調査に参加でじたるできます。オンライン調査だと、機器の設定や操作方法でつまずく人も、会場調査であれば普段の会話感覚で参加できるため、幅広い層からの意見収集が可能です。高齢者や普段デジタル機器を使用しない層の意見も集められます。
信頼性の高いデータを収集しやすい
対面での調査は、回答結果の信頼性を高める効果があります。調査員は参加者の反応を直接確認しながら進められるため、「質問の意図が正しく伝わっているか」や「回答に矛盾がないか」について、リアルタイムで確認できるからです。
また、調査員と対面で向き合いながら回答するため、参加者がより真剣に話をする傾向にあります。対面ならではの緊張感が、より正確なデータ収集につながるでしょう。
協力的な参加者を集めやすい
自らの時間を確保し、指定場所まで足を運ぶ参加者の多くは、積極的に意見を提供する意欲があります。
オンライン調査は気軽に参加できる反面、途中での離脱や適当な回答が見受けられることも事実です。一方で会場調査は意欲の高い人が多いため、途中での離脱や適当な回答といったリスクは低くなります。
協力的な参加者が集まることで、新たな議論や積極的な意見交換も生まれやすく、思いがけない発見が生まれる可能性もあるでしょう。
会場調査・会場リサーチを行うデメリット
会場調査には、オンライン調査にはない独自の価値がある一方で、実施における課題も存在します。会場調査・会場リサーチを行うデメリットは、以下の通りです。
コストがかかる傾向にある
会場調査は、オンライン調査と比較すると、コストがかかる傾向にあります。まず会場費用として、調査スペースの賃借料や使用料が必要です。調査員の人件費・参加者への謝礼・会場までの交通費なども考慮します。調査に使用する機材・資料の印刷費・参加者用の飲み物なども準備が必要です。会場設営や撤去にかかる費用も考慮しなければなりません。
会場調査にかかるコストは、調査目的や期待される成果と比較したうえで、投資対効果を意識することが大切です。
地理的な制限がある
会場調査では特定の場所に参加者を集めるため、地理的な制約が課題です。都市部で実施する場合、地方在住者の意見収集が難しく、データに地域的な偏りが生じる可能性があります。
また、開催日時によって、参加者の年齢層や職業も偏りやすいといえます。たとえば平日昼間の調査では、「パートタイムで働くシニア」や「地域活動に参加しているシニア」の参加が難しく、自宅で過ごすことの多い人が中心となりがちです。天候や交通機関の乱れなどにより、予定通りの参加が困難なケースも考えられます。
サンプル数の制限
会場調査では、「会場のキャパシティ」「調査可能な時間」「調査員の人数」といった物理的な制約によって、サンプル数に上限が設定されます。1時間あたりの調査可能人数は調査内容によるものの、一般的に数名から十数名程度が限度です。
また、会場の収容人数や調査スペースのレイアウトによっても、同時に対応できる参加者数が決まるでしょう。調査員の疲労度も考慮すると、1日あたりの調査可能時間にも限界があります。
シニアに会場調査を行う際のポイント
シニアを対象とした会場調査では、一般的な調査とは異なる配慮や工夫が必要です。ここでは、シニアに向けた会場調査を行うポイントについて解説します。
会場の環境を整える
会場までのアクセスルートを明確にし、階段や段差には手すりを設置するなど、安全面への配慮が必要です。室内は適度な明るさを確保し、温度や湿度も快適に保ちます。休憩スペースにはゆったりとした椅子やソファを用意し、水分補給も随時できるようにしましょう。
案内表示は大きな文字で見やすく作成し、トイレの場所もわかりやすく示すことが重要です。必要に応じて介助スタッフを配置するなど、きめ細かなサポート体制を整えることで安心して調査に参加してもらえます。
丁寧なコミュニケーションを意識する
シニア層は、「聴力や視力の変化」や「デジタル用語やカタカナ表現への不慣れさ」などから、特別な配慮が必要です。専門用語やカタカナは極力避け、わかりやすい日本語での説明を心がけます。説明する際はゆっくりと明確に発声し、必要に応じて図や写真などの視覚資料も活用します。
こまめに理解度を確認し、質問や不安点がないかを確認することも大切です。体調面も配慮し、疲れている様子が見られたら休憩を取るよう声をかけます。
参加のハードルを下げる
多くの人に参加してもらえるよう、参加のハードルを下げる工夫が必要です。そのため、適切な謝礼設定や、交通費の実費支給・送迎サービスの提供も検討します。
また、シニア向けの調査では午前中から午後の早い時間帯が望ましく、天候や季節も考慮して設定します。家族の理解も重要なため、調査目的や安全面への配慮を記載した資料も用意するとよいでしょう。参加者の健康状態も考慮し必要に応じて家族の同伴を認めるなど、柔軟な対応を心がければ参加のハードルを下げられます。
シニア調査に強い専門家に依頼する
シニアを対象とした調査では、ほかの世代とは異なる配慮が必要です。健康状態や認知機能などの個人差に加え、「価値観や生活習慣の世代的特徴」「デジタルリテラシーの差」などへの配慮が求められます。
細かな配慮を実現するには、シニア調査に強い「専門家の存在」が不可欠です。シニアの心理的・身体的特性を理解し、適切なコミュニケーションが取れる専門家は、細部への配慮や質の高いデータ収集を実現します。過去の調査実績から得られた知見を活かし、効果的な調査設計や進行方法も提案できるでしょう。
会場調査・会場リサーチを行う専門家の選び方
シニア層を対象とした会場調査では、適切な専門家を選ぶことが重要です。ここでは、信頼できる専門家の見極めポイントを解説します。
シニア調査の実績を確認する
シニアに向けた「会場調査・会場リサーチ」の専門家を選ぶ際には、実績を確認することが大切です。確認する際には、具体的な調査実績や成功事例はもとより、シニア層からの評価や満足度などもチェックします。また、認知機能や体力の個人差への対応方法や、体調急変時の対処手順も、重要なチェックポイントです。
調査結果がどのように活用され、クライアントの課題解決につながったかという事例も判断材料になります。
専門的なノウハウの有無を見極める
シニア向けの会場調査では、一般的な調査以上に専門的なノウハウが求められます。「認知機能の個人差に配慮した質問設計」や「体力面を考慮した適切な調査時間」など、シニア特有の配慮が必要だからです。そのため、調査設計・実施・分析に至るまでの知識の有無や、最新の調査手法に精通しているかを確認しましょう。
ノウハウをもたない調査会社に依頼すると、データの信頼性が低下するだけでなく、参加者の安全も脅かされる可能性があります。
コミュニケーション能力を評価する
シニア層とコミュニケーションが取れないと、調査が成立しないことがあります。たとえば、「ユーザビリティ」などの専門用語を多用すると混乱を招きがちです。
また、急かすような態度は参加者の不安を高め、本音を引き出せなくなります。そのため、わかりやすい言葉で説明でき、高齢者に敬意を持つことができる人材が必要です。加えて、「疲れていそう」「聞き取りにくそう」などの変化に気づける観察力も求められます。調査会社を選ぶ際には、適切なコミュニケーションが取れるかを評価しましょう。
会場調査・会場リサーチの費用・相場

A piggy bank sits next to a calculator and financial charts on a wooden desk, symbolizing personal savings and financial planning.
会場調査・リサーチの費用は、調査の規模や手法によって異なります。一般的な相場として、グループインタビューでは、対象者4名×3グループ(計12名)で約40万円が目安です。(※調査費用のみであり、会場費や司会者費用は含まれていません。)
一方で個別調査の場合、対象者100名(50名×2日間)で約180万円程度が相場です。タブレットでの回答収集システム・会場費・調査員の人件費・参加者への謝礼などが含まれます。
また調査内容に応じて、「分析レポートの作成」「専門家による考察」などが必要な場合は、追加費用が発生するケースも多いでしょう。地方での実施や特殊な設備が必要な場合、費用は増加する傾向にあります。
費用設定と透明性を確認する
シニア向け会場調査の費用は内容や規模によって変動するため、見積もりの透明性が重要です。見積書には基本調査費用だけでなく、「会場費」「調査員の人件費」「参加者への謝礼」「機材レンタル費」などの内訳が記載されているかを確認しましょう。
また、「追加費用」「天候不良による日程変更の取り扱い」「参加者が予定数に満たなかった場合の対応」などもチェックします。シニア向け調査では体調不良による急なキャンセルが想定されるため、参加者がキャンセルした際の計算方法も確認しましょう。
シニアに会場調査を行う具体的な方法

DMAIC concept. Define, Measure, Analyze, Improve and Control. DMAIC continuous improvement tools for process quality.
シニア層への会場調査を成功させるには、準備・実施・フォローアップまで、段階的に取り組む必要があります。シニアに会場調査を行う具体的な方法は、以下の通りです。
会場を選ぶ
シニアに向けた会場選びでは、身体への配慮が大切です。高齢者は歩行や階段の昇り降りに不安を感じやすく、長時間の移動は負担であるため、「駅から徒歩10分以内」「エレベーターや手すりが設置されている」といった安全で無理のない会場を選びます。
また、室内環境も重要なポイントです。加齢による視力低下に配慮し、明るい照明を整えましょう。広々とした空間があれば、歩行補助具の使用にも対応でき、不意のふらつきにも安心です。「録音・録画機材の設置スペース」や「付き添い者の待機場所」なども、チェックしましょう。
調査モニターを集める
適切なモニターの選定は、信頼性の高いデータ収集につながります。年齢・性別・生活習慣・価値観・健康状態などを考慮し、スクリーニング設計を行いましょう。
また、シニアの参加を促すには、いくつかの配慮が必要です。まず、調査目的・所要時間、服薬のことなど、参加に必要な情報を明示します。ほかにも、付き添い者の同伴を認めるなどの工夫も求められます。
参加への動機付けとして、適切な謝礼設定も重要です。一般的に2時間程の調査では5,000円~8,000円が相場です。「社会貢献」や「新たな経験」といった参加意義も説明すれば、より協力を得やすくなります。
調査時の運用ルールを決める
スムーズな調査には運用ルールの存在が欠かせません。特にシニア層の調査では、安全性と快適性への配慮が必要です。
また、運用ルールは3段階で作成します。まずは、基本方針を定めましょう。シニアに配慮した対応方針を決め、スタッフ全員で共有できる基準を設けます。次に、当日の運営マニュアルを作ります。受付から解散までのタイムスケジュールを組み、休憩時間やペース配分も設定しましょう。その際に、体調急変時の対応手順なども定めます。
最後に、受付・案内係・記録係など、スタッフの役割を決めます。個人情報の取り扱いについても、フローを明確にしましょう。
実際に調査を行う
調査当日は、シニアの特性を理解した対応が求められます。まずは体調チェックシートの記入を依頼し、体調不良の兆候がないかをチェックすると安心です。
個別インタビューでは、参加者のペースに合わせて質問を進め、必要に応じて筆談やジェスチャーも交えます。必要に応じて文字の大きな資料を用意するなど、視認性にも配慮します。グループインタビューでは、全員が平等に意見を述べられるような配慮が必要です。
調査の形式に関わらず、参加者に疲労の様子が見られた場合は予定外でも休憩を取り入れるなど、参加者の体調を最優先に考えます。
データ収集と分析を行う
調査で得られた情報を正確に記録し適切に分析することで、参加者から得られた意見や行動をもれなく活用できます。音声・映像・メモなど、複数の記録媒体を使って情報を残します。説明時の理解度や製品使用時の様子といった「非言語コミュニケーション」も重要な情報となるため、可能な限り映像記録も残しましょう。
また、分析の際には、背景にある生活環境や使用シーンも含めて総合的に判断します。たとえば製品評価では、使いやすさを評価すると同時に、安全面での不安や改善要望なども拾い上げます。収集したデータは、記憶が鮮明なうちに整理・分析するとよいでしょう。
参加者へのアフターフォローを行う
調査終了後のフォローは、継続的な協力関係を築くうえでも重要です。適切なフォローアップにより、次回の調査への協力も得やすくなり、長期的な信頼関係を構築できます。
できるだけ1週間以内にお礼状を送付し、必要に応じて調査結果のフィードバックも実施します。フィードバックでは、わかりやすい資料にまとめるなどの配慮も必要です。
また、追加の確認が必要になった場合には、電話やメールでの問い合わせも検討します。その際は参加者の生活リズムを考慮し、連絡する時間帯にも配慮が必要です。電話の場合は、平日の10時から16時頃が望ましいです。
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シニアへの会場調査では、身体的特徴や価値観に配慮した対応が不可欠です。当記事で紹介した具体策を実施することで、シニア層から、信頼性の高い調査結果を引き出せるでしょう。
しかし施策を自社で展開する場合、専門知識やノウハウの習得、適切な会場の確保など、課題に直面しやすいことも事実です。
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