- シニア調査
作成日:2026.03.04
初めての終活|あなたに必要なサポートは?終活サービスの相談場所と選び方
終活をする際に、何からはじめたらよいかわからない人も多いのではないでしょうか?また、終活の専門サービスを比較検討するものの、どこに相談したらよいかわからない人も見受けられます。
そこで本記事では、終活サービスの基本から種類・おすすめなサポート・どこに相談したらよいかまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。終活をはじめたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも終活とは?

終活とは、自分らしい人生の締めくくりを迎えるための活動です。また、活動内容は多岐にわたります。たとえば、財産や自宅の整理・医療や介護の希望をまとめる・お墓の準備などさまざまです。また以前は、終活について「死に向かう取り組み」といった、縁起の悪い内容を想像する人も多く見受けられました。
しかし昨今では、のこりの人生をより豊かに過ごす取り組みとしての印象が強く、前向きな活動と認識する人が増えています。
終活の種類について
終活と一口に言っても、さまざまな種類があります。ここでは、代表的な終活内容について解説します。
生前整理

生前整理とは、亡くなった後のことを踏まえ、身の回りの整理や不用品の処分を行うことです。スマートフォンやパソコン内のデータ整理や、SNSのアカウント管理といったデジタル遺品の整理も含まれます。
【具体例】
- 不用品の回収・買い取り
- 財産目録の作成
- パスワードの管理・削除予約
【生前整理を行うメリット】
- 住環境が安全になる
- のこすべき資産が明確になる
- 遺族への負担が減る
【利用シーン例】
- 自宅が物であふれており、自分の介護が必要になった際に家族が困らないようにしたい
相続対策
相続対策とは、財産の受取人を決めたり、遺言書を作成したりすることを指します。法律的な知識が必要な分野であるため、専門家に依頼するケースも多いでしょう。
【具体例】
- 財産の調査
- 公正証書遺言の作成手続き(公証役場との調整)
- 遺言執行者の指定
【相続対策をするメリット】
- 法的に不備のない遺言書を作成できる
- 親族間での争いを防ぎやすい
【利用シーン例】
- 自宅不動産はあるが貯金はほぼない。同居の長男に家を継がせたいが、他の兄弟に渡すお金がなく不公平だと言われるのを防ぎたい
- 法律上の相続権がない、長年連れ添った内縁の妻に財産を渡したい
葬儀の準備
終活における葬儀の準備は、生きているうちに、葬儀社やお墓を選ぶことを指します。あらかじめ、葬儀の形式を指定したり墓石の種類を選べたりするため、のこされた家族の精神的な負担を軽減できるでしょう。
【具体例】
- 葬儀社の選定
- 永代供養墓や樹木葬の契約
- 遺影の準備
【葬儀の準備を行うメリット】
- 自分の希望を反映できる
- 急な不幸があった際に家族が判断せずに済む
【利用シーン例】
- 宗教にこだわらない自由な葬儀を希望しており、費用も自分で支払っておきたい
- 自分の代で墓じまいをし、後の管理が不要な「永代供養墓」へ移る準備をしたい
身元保証・死後事務委任
身寄りがない「おひとりさま」に代わり、生前の保証人引き受けから、死後の事務手続きまでを代行するサービスです。
【具体例】
- 施設入居時の身元保証
- 死後の公共料金の解約
- 遺品の片付け
【身元保証・死後事務委任をするメリット】
- 親族に頼れない場合でも、希望する施設への入居が可能
- 死後の整理まで一括して任せられる
【利用シーン例】
- 独身で身寄りがなく、死後の部屋の片付けや手続きで周囲に迷惑をかけたくない
終活は何からはじめたらよい?簡単3ステップ
結論からお伝えすると、終活には「これからはじめなければならない」という決まったルールはありません。「まずは部屋をスッキリさせたい」という人もいれば、「お金のことが一番心配」という人もいるでしょう。
大切なのは、今の自分が安心できる部分から手をつけることです。以下の3ステップに沿うと、終活を簡単にはじめられます。
ステップ1:まずは現状の不安を可視化する

何から手をつければよいか全く見当がつかない場合には、まず自分の「課題」を書き出すことからはじめましょう。そこで役立つのがエンディングノートです。
ノートを埋める前に、以下のチェックリストで、自分がどこに不安を感じているかを確認してみてください。
【資産】
☐銀行口座や証券口座をリストアップできているか
☐加入している保険の内容と受取人を把握しているか
☐ 月々の公共料金やサブスクリプションの引落し先を整理しているか
【身の回り】
☐ 3年以上使っていない不要な家財道具を処分できているか
☐スマホやPCのログインパスワードを家族がわかるか
☐ SNSのアカウントや、ネット上の有料サービスの解約方法をまとめているか
【家族】
☐誰にどの財産を継ぐかが決まっているか
☐相続トラブルが予想される親族関係(再婚・疎遠な親族など)ではないか
☐葬儀の規模や、お墓の管理者は誰か
【医療介護】
☐認知症などで判断力が低下した際、誰に財産管理を頼むか
☐延命治療を希望するか、最期をどこで迎えたいか
ステップ2:自分とプロの境界線を引く
ステップ1でチェックがついた項目の中から、「自分一人で完結させるのが不安なもの」をプロへの依頼に切り分けてみましょう。以下の3つの項目に当てはまるなら、専門サービスを頼るとよい可能性があります。
①トラブルを防ぎたい
相続や遺言など、法的な知識不足が「家族の仲」を壊す場合があります。ここでの費用は、家族を守るための保険と考えましょう。
②体力を消耗したくない
たとえば、重い家具の処分や家の清掃などは体力が必要です。加えて、怪我のリスクもあるでしょう。プロに任せれば、短期間で安全な環境が手に入ります。
③家族の負担を減らしたい
葬儀や身元保証などは、もしものときに家族が数時間で決断を迫られます。生前に予約を済ませておけば、家族の精神的負担を激減できます。
ステップ3:具体的にアクションをする
課題と優先順位が見えたら、問い合わせや資料請求といった、具体的な行動に移しましょう。ここでは、多くの人が行いやすい、ハードルの低い内容を3つ紹介します。
1.資料請求でサービスを比較する
気になるサービスがあれば、インターネットや電話などを使い、資料請求をします。パンフレットを並べて眺めるだけでも、イメージや自分との相性をつかみやすくなるでしょう。
2.自治体の無料配布物を取りに行く
業者に連絡するのは抵抗があるという方は、市区町村の窓口へ足を運んでみるのもおすすめです。自治体が作成している「終活ガイドブック」や「エンディングノート」を無料でもらうことが可能です。公的な窓口なので、契約を迫られることもありません。
3.無料相談の予約を入れる
相続や不動産など、自分では難しい法律的な問題がある場合には、初回無料などの相談窓口を予約してみましょう。プロに状況を話すだけで、頭の中が整理されやすくなります。
終活サービスの相談場所と料金相場を比較
終活に関する相談ができる場所は、数多く存在します。それぞれ特徴や得意分野があるため、自身の状況に応じて、適切な場所を選ぶことが大切です。ここでは終活の主な相談窓口として、6つの場所を紹介します。

上記の内容について、以下で詳しく紹介します。
自治体の相談窓口

多くの市区町村では、終活サービスに関する基本的な相談を受け付けています。内容としては、「成年後見制度の案内」「地域の終活関連サービスの紹介」などが挙げられます。
定期的に終活セミナーや相談会を開催している自治体も多く、同じ地域の人と情報交換する機会も得られるかもしれません。何からはじめたらよいかがわからない場合には、最初の相談先として、「お住まいの自治体の窓口」に問い合わせてみるのもよいでしょう。
<おすすめの場面>
終活について、まずは無料で全体像を把握したい
<利用例>
70歳を迎え、終活をはじめたいが、業者への相談にはハードルを感じるAさん。役所の高齢者支援窓口へ行き、自治体が無料配布しているエンディングノートを受け取りました。あわせて、地域で開催される無料の「終活基礎セミナー」を紹介してもらい、終活の概要を理解できました。
金融機関
銀行や信用金庫などの金融機関でも、終活に関する相談を受け付けています。金融機関であるため、相続遺言や資産管理などのお金に関する相談がメインです。相談していくうえで、提携している税理士や司法書士など、専門家を紹介してもらえるケースも見受けられます。
ただし、金融商品の販売を目的とした提案もあるため、内容を理解して判断することが大切です。
<おすすめの場面>
まとまった資産があり、口座凍結や相続トラブルを防ぎたい
<利用例>
自身の預貯金が、子供たちの相続争いの種にならないか心配していたBさん。メインバンクの窓口で「遺言代用信託」を契約しました。その後、自分が認知症になった際の資金管理や、亡くなった後に家族が葬式代などを引き出せるようになりました。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーも、終活関連のサービスに対応できます。サービス内容としては、資産管理や相続対策などが一般的です。たとえば、現在の資産状況を分析し、将来の生活費や介護費用を考慮した資金計画を立ててもらえるでしょう。
ほかにも、相続税の対策や遺族の生活なども含めた総合的なアドバイスが期待できます。とくに、家計全体を見直しながら、終活をしたい人におすすめです。
<おすすめの場面>
老後資金を把握し、無理のない範囲で終活を進めたい
<利用例>
有料老人ホームに入りたいが、貯蓄が底をつかないかと悩んでいたCさん。独立系FPに相談し、100歳までの収支を予測する資金計画を作成してもらいました。
その結果、希望するホームで一生涯暮らせる見通しが立ち、自信を持って申込みを進められました。
弁護士や税理士
法的手続きや税務に関する専門的な相談は、弁護士や税理士に依頼するのがおすすめです。弁護士は遺言書の作成や相続トラブルの防止など、法律面でのサポートに対応します。税理士は相続税対策や税務申告など、税務面でのアドバイスに強いです。
とくに、複雑な家族関係や高額な資産がある人、過去に相続でトラブルがあった人などは、弁護士や税理士に相談するとよいでしょう。
<おすすめの場面>
離婚などで、家族関係が複雑である/法律にもとづき確実に財産を引き継ぎたい
<利用例>
前妻との間に子供がいるDさん。現在の妻と子供たちが相続でもめないよう、弁護士に依頼して「公正証書遺言」を作成しました。法的に不備のない書類を作成したことで、自分の死後に親族間で争いが起きるリスクを抑えられ、安心できました。
葬儀社
葬儀社では、葬儀やお墓に関する事前相談を受け付けています。生前に予約することで、自身の希望に沿った葬儀プランを決めやすくなります。お墓や納骨についても相談可能です。今のうちに信頼できる葬儀社を事前に見つけておくことで、のこされた家族も、いざというときに慌てずに済みます。
<おすすめの場面>
葬儀の形にこだわりがある/自分の死後に、家族が葬儀で慌てないよう配慮したい
<利用例>
家族に負担をかけず、自分らしく家族葬で見送ってほしいと願っていたEさん。近所の葬儀社の事前相談を利用し、生前見積もりを作成してもらいました。祭壇や費用を指定して予約でき、葬儀に対する不安を解消できました。
民間の終活サポート
近年増加しているのが、終活に特化した民間のサポート事業者です。終活カウンセラーなどの資格を持った専門スタッフが、終活全般にわたるサポートを行います。生前整理から相続対策や葬儀準備まで、ワンストップでの相談が可能なケースも多いです。
また、必要に応じて適切な専門家を紹介してもらえることもあるでしょう。
<おすすめの場面>
身寄りがなく、入院時の保証から死後の手続きまで頼みたい
<利用例>
おひとりさまのFさんは、入院時の保証人がいないことや、死後の自宅の片付けに不安を感じていました。そこで、民間の終活サポート会社と、身元保証契約と死後事務委任契約を締結しました。施設入居の手続きから死後の遺品整理まで任せられるようになりました。
失敗しない終活サービスの選び方
自分に合わない終活サービスを選んでしまうと、時間とお金を無駄にする可能性があります。後悔のない選択をするためにも、ポイントを押さえて検討することが大切です。ここでは、終活サービス選びで意識したい3つのポイントを紹介します。
終活に対する優先順位を決める

まずは、何のためにプロを頼むのかを明確にします。終活は範囲が広いため、目的が曖昧なままだと、不要なサービスや見当違いのサービスを契約する可能性があります。
たとえば、「相続トラブルを避けたい」のか、「今の生活環境を整えたい」のかなど。自分の悩みを書き出し、緊急度の高い「今すぐプロに解決してほしいこと」と、緊急度が低めの「まずは自分で考えたいこと」に分けましょう。
緊急度の高い内容にしぼることで、弁護士か整理業者なのかなど、選ぶべき専門家の種類が決まります。
信頼できる事業者を吟味する
目的が決まったら、次は任せても安心な相手かをチェックします。公式サイトの料金表が明快であることはもちろん、有資格者が在籍しているかや過去の実績にも注目するとよいでしょう。
口コミは評価の数だけでなく、「困ったときにどのように対応してくれたか」など、具体的なエピソードのチェックが大切です。無料相談やセミナーでは、スタッフが自分の話を丁寧に聞いてくれるか、強引に契約を迫らないかなどを見極める場となります。
複数の業者を比較検討する
終活サービスを選ぶ際には、複数の事業者から見積もりを取るとよいでしょう。なぜなら、同じサービス内容でも、料金に差があるケースも珍しくないからです。
ただし、コストだけで判断するのは危険です。サポート体制の充実度、アフターフォローの有無や担当者との相性なども含めて、総合的に評価するとよいでしょう。価格と品質のバランスを考慮しつつ、長期的な視点で価値のあるサービスを選択することが大切です。
終活サービスを適切に活用しよう
終活は、万が一の備えといった側面だけではなく、これからの人生を楽しむための準備とも言えます。そのため、思い立ったタイミングがはじめどきと言えるでしょう。
また、すべてを一人で抱え込む必要はありません。プロの手を借りる選択も有効です。サービスを選ぶ際には、複数の選択肢を検討することも大切です。また終活に、100点満点の正解はありません。完璧を目指して立ち止まるより、まずは一歩を踏み出してみるとよいでしょう。
終活サービスを適切に活用しながら、あなたのペースで、後悔のない準備をはじめてみませんか。