- シニア調査
作成日:2025.02.25 最終更新日:2025.02.28
シニア向けオンラインインタビュー | 特徴やメリット、料金や注意点を紹介

デジタル化の進展に伴い、シニア・高齢者層に向けたオンラインコミュニケーションも活発化しています。特にコロナ禍以降、オンラインインタビューの需要が高まり、シニア層への調査手法としても注目されています。しかし、シニア特有の課題や、配慮すべきポイントが存在することも事実です。
そこで当記事では、シニアに向けたオンラインインタビューの特徴・メリット・料金相場や、具体的な進め方について解説します。質の高いオンラインインタビューを実施したい場合には、ぜひ参考にしてください。
目次
オンラインインタビューとは
オンラインインタビューとは、「Zoom」や「Google Meet」など、ビデオ会議ツールを活用した遠隔インタビューです。インターネット環境とパソコンやタブレットなどのデバイスがあれば、好きな場所から参加できます。対面インタビューと比較すると、時間や場所の制約が少なく、柔軟な調査が可能です。
また、画面を通したリアルタイムでのコミュニケーションが可能なため、対象者の反応や表情を観察しながら進められることが特徴です。デジタル技術の進歩によって、音声や映像の品質も向上しており、自然な対話も実現します。
オンラインインタビューを行うメリット
オンラインインタビューには、従来の調査手法とは異なるメリットが存在します。主なメリットは、以下の通りです。
コストを抑えやすい
オンラインインタビューでは、対面式調査において必要な「会場費」「調査員の交通費」「宿泊費」などが不要です。また、郵送インタビューで発生していた「封筒」「印刷」「切手」などの料金も削減できます。複数の拠点で同時調査を実施できるため、プロジェクト全体の効率化とコスト削減も実現するでしょう。
さらに、オンライン上でのデータ管理により、資料の印刷や保管にかかるコストも抑えられ、環境にも配慮した調査が可能となります。
幅広い対象者の確保につながる
オンラインインタビューは、インターネット環境とパソコンやスマートフォンなどのデバイスがあれば実施できます。そのため、地方や海外に在住する人を含む「多様なサンプル」の獲得が可能です。移動が困難で、従来は参加を見送っていた層からも、意見収集ができるでしょう。時間帯も柔軟に設定できるため、多くの参加者を確保しやすくなります。介護や家事で外出が制限される人にとっても、気軽に参加できる点が魅力です。
効率的なデータ収集が実現する
オンラインインタビューで使用する「ビデオ会議ツール」の録画・録音機能を活用すれば、詳細を記録できます。複数の調査員が同時にリモートでモニタリングすることで、多角的な観察も実現するでしょう。
収集するデータは「デジタル」という特性上、アナログな方法と比較すると、効率的なデータの共有や分析が可能です。テキスト化や文字起こしも容易に行うことができ、AIツールと連携させれば、分析の深度も向上するでしょう。
調査品質の向上につながる
参加者は自宅などの好きな環境から回答できるため、自然な反応を引き出しやすくなります。慣れた環境であれば、リラックスした状態でインタビューに参加しやすく、正直な意見も得やすくなるでしょう。
さらに、家族からのサポートを得られる環境であれば、参加者にとって安心感が増し、安定した調査が可能となります。それは、インタビューの質を高め、より深い調査結果の獲得につながるでしょう。
オンラインインタビューのデメリット
オンラインインタビューには、いくつかのデメリットがあります。今後調査を行う場合には、デメリットを把握したうえで実施するとよいでしょう。主な内容は、以下の通りです。
対象者の参加条件が限定される
オンラインインタビューへの参加は、インターネット環境とデジタルデバイスの所有が必須です。さらに、オンライン会議ツールの基本的な操作スキルも求められます。
そのため、「デジタルリテラシーの低い人」や「通信環境が整っていない人」は、調査対象から外れる可能性が高いでしょう。「デジタルリテラシーが一定レベル」「インターネット環境とデバイスを保有」など、対象者の参加条件が限定される点はデメリットだといえます。
非言語コミュニケーションの制限
画面を通じたコミュニケーションは、対面調査と比較すると、参加者の「表情の変化」「違和感」「身体的な反応の把握」などに制限がかかることもあります。またグループインタビューでは、参加者同士の対話や関係性の構築が対面と比べて難しく、深い議論や本音を引き出しにくい可能性があるでしょう。
対面調査と比較すると「言語的な要素が欠ける」ケースも見受けられるため、得られる情報の質に影響が出ることもあります。
技術的なリスクの存在
オンラインインタビューでは、突発的な通信障害や機器トラブルによって、調査が中断されるリスクもあります。音声の遅延や映像の途切れは、コミュニケーションを妨げる要因となり、結果として「インタビューの質」に影響が及ぶ可能性もゼロではありません。
また、参加者が技術的なトラブルに直面した場合、自身での解決が難しく、ストレスを抱えるケースも見受けられます。技術面への多様なリスクを考慮し、事前に対策を講じることが重要です。
シニア層へのオンラインインタビューにおける注意点

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シニア層にオンラインインタビューを行う際は、4つの内容に注意しましょう。注意すべきポイントは、以下の通りです。
デバイス操作への不安
インターネットを日常的に活用するシニアは増えています。しかし、オンライン会議ツールの操作方法や設定、カメラやマイク調整などに不安を感じる人は多く見受けられます。特に初めての経験となれば、緊張感が高まる傾向があります。
慣れない操作に対して不安が先行すると、インタビューへの参加意欲が低下する可能性もあります。そのため、デバイス操作への不安を取り除くことが重要です。
通信環境の不安定さ
シニア層の場合、突然の通信切断や音声の途切れなど、技術的なトラブルが発生した場合の対応が難しいこともあります。インターネット環境が整っていても、参加者宅のWi-Fi環境や通信速度によっては、安定した実施が難しいかもしれません。
そのため、事前に通信環境を確認し、必要に応じて有線LANの利用を提案するといった対策が必要です。通信環境の安定性が確保されないと、調査結果の信頼性も低下する傾向にあります。
コミュニケーションの難しさ
オンラインインタビューは、デジタル画面を通じて意思疎通をはかるため、細かな表情や仕草が読み取りにくいことがあります。シニア世代は、インターネットやスマートフォンが存在しない時代を過ごしていたため、オンラインでのコミュニケーションに馴染みが薄い人も多いでしょう。
また、インタビュアーのうなずきといった非言語的なコミュニケーションが、参加者にとって理解しにくい場面も見受けられます。
集中力を維持させる困難さ
シニア層の場合、オンラインインタビューは、自宅で参加するケースが多いでしょう。そのため、生活音や予期せぬ来客などによって、集中力を低下させる恐れがあります。集中力の低下は、データの信頼性と質に影響を与えることがあります。
データの質を高めるためにも、参加者の集中力を維持させることは重要です。また、デジタル環境は、「画面の小さな変化」「通知音」「複雑なインターフェース」などによって、参加者の注意を分散させやすくなります。
シニア層へのオンラインインタビューを成功させる方法
ここでは、シニア層へのオンラインインタビューを成功させるべく、いくつかの具体的な方法を紹介します。主な方法は、以下の通りです。
事前サポートで参加への不安を取り除く
初めての人でも安心して参加できるよう、操作マニュアルを用意するとよいでしょう。図解入りのマニュアルを作成し、14pt以上の大きな文字で、操作手順を明記するなどです。
前日までに通信テストを実施し、必要に応じて有線LANの使用を提案するなど、通信環境の整備をサポートすることも重要です。参加者に「家族や身近な人」がいる場合には、事前準備や技術的サポートを依頼すれば、参加者の不安を軽減できます。また、専用の電話サポート窓口の設置もおすすめです。
インタビュー直前の設定をサポートする
技術的トラブルは参加者のストレスとなり、参加意欲を低下させる原因になり得ます。そのため、インタビュー直前の設定サポートも重要です。
例えば、インタビューの30分前にテストを開始し、音声・映像が機能しているかを確認してもらいます。「声が聞こえない」「画面が暗い」といった指摘があれば、音量や画面設定の方法を図解で説明するなど、スムーズな開始に向けてサポートします。トラブルが改善しない場合を想定し、電話でのバックアップ体制も整えておくと安心です。
トータル時間に配慮する
シニア層の集中力維持を踏まえ、インタビュー本編は、最大でも25~30分を目安に設定するとよいでしょう。導入の雑談(アイスブレイク)は5分程度に抑え、質問は1つずつゆっくりと行います。
長時間の調査が必要な場合には、複数回に分けた実施を検討しましょう。また、参加者の体調や疲労を考慮し途中で小休憩を提案できるよう、柔軟な計画を立てることも重要です。
トラブル発生時の体制を構築する
トラブル時の対応体制を整備すると参加者の不安を払拭しやすく、データの信頼性と質の確保につながります。専門的かつ迅速な対応は、参加者の「調査への信頼」と「継続的に協力する意欲」を高められるでしょう。
具体的には、「トラブルに対応できる専任者を待機」「通信トラブル時の代替手段(電話など)を用意」などが推奨されます。予期せぬトラブルに備え、インタビューの予備日を設定するのもよいでしょう。
アフターフォローで継続的な関係を築く
インタビュー終了後は、メールや書面でお礼状を送付し、感謝の気持ちを伝えます。また、インタビュー中に聞き取れなかった点や、より詳細な情報が必要な場合の連絡方法を予め伝えることも重要です。
例えば、「メール」や「短時間の電話インタビュー」などで、あとから質問を行う可能性があることを伝えます。録画データについても、管理方法・使用目的・データ廃棄の時期などを説明します。
丁寧なアフターフォローを意識すれば、次回の調査も依頼しやすくなるでしょう。
オンラインインタビューの謝礼相場
オンラインインタビューを行う際には、参加者への謝礼についても配慮するとよいでしょう。ここでは、オンラインインタビューの謝礼相場について解説します。
インタビュー形式による謝礼の違い
オンラインインタビューにおける謝礼の有無は、調査結果を左右する要素の1つです。適切な謝礼は、参加者のモチベーションを高め、誠実な回答を引き出すことにつながります。一般的なオンラインインタビューの謝礼相場は、個人インタビュー(1対1)で3,000~10,000円程度です。専門性が求められる場合やインタビュー時間が60分を超えるケースでは、10,000円以上の設定も珍しくありません。
なお、調査の目的や社会的意義によっては、参加者の自発的な協力により、無償インタビューが実施されることもあります。
謝礼の支払い方法
謝礼の支払い方法は、調査会社によって異なるでしょう。例えば、調査会社独自のポイントシステムを導入し、そのポイントを現金や電子マネーに交換できる仕組みを採用する会社があります。ほかにも、QUOカードやAmazonギフト券など、電子ギフトの送付を取り入れている会社も存在します。また、直接の現金振り込みを行う会社もあるでしょう。
上述の支払い方法の中から、参加者が「自分で支払い方法を選択できるサービス」を提供する調査会社も見受けられます。
オンラインインタビューの進め方
つづいて、オンラインインタビューを効果的に進める方法について解説します。事前準備・当日の流れ・注意点まで、各ステップの詳細をチェックしましょう。
事前準備(1週間前~前日)
事前準備を行うことで、「技術的な問題の解決」や「参加者の不安軽減」につながります。インタビューの品質や、参加者の快適性も確保できるでしょう。
具体的には、1週間前から前日の間に、インタビューの目的・所要時間・必要な環境設定を伝えます。使用するオンライン会議ツールの接続テストを事前に実施し、音声や映像の状態を確認しておきます。当日の緊急連絡先やトラブル時の対応方法についても、参加者に共有すると不安が軽減されるでしょう。
当日の基本的な流れ
オンラインインタビュー当日は、開始時間の30分ほど前から参加者の入室準備や最終的な接続確認を進め、スムーズにインタビューを開始できるようにしましょう。
インタビュー開始の導入では、インタビューの趣旨を説明しつつ、録画への同意も得ましょう。本編の目安は25分~30分程度であり、参加者の反応や理解度に配慮しながら進めます。最後の5分では、インタビューへの謝意を伝え、今後の流れや追加情報の可能性について説明します。
インタビュー時の注意点
シニアが対象のオンラインインタビューでは、明確で簡潔な質問が重要です。年齢を重ねると、情報処理に時間がかかる傾向にあるからです。専門用語は日常の言葉に置き換え、長文は短く区切るとよいでしょう。例えば、「デジタルトランスフォーメーションについて」という質問は、「最近、パソコンをよく使いますか?」のように、理解しやすい内容にします。
また、思考の処理速度が低下するシニアも多く、急かすとうまく話せない可能性があります。そのため、十分な回答時間の確保も重要です。録画・録音・メモを取るなど、複数の記録手段を準備することも大切です。
まとめ:コスモラボでは60代以上のシニアに低コストでオンラインインタビューが可能です!
シニアへのオンラインインタビューを成功させるには、事前サポートと実施時の柔軟な対応が必要です。インタビュー本編は25-30分程度に抑え、トラブルに備えた代替手段の確保も求められます。
しかし、「自社」や「シニアインタビューに詳しくない調査会社」が対応すると、技術サポートの不足や参加者の不安増大など、課題に直面する可能性があります。貴重な調査データの損失や、シニア参加者の不満にもつながりかねません。
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