- シニア調査
作成日:2025.04.10 最終更新日:2025.04.16
シニア・高齢者向けホームユーステスト(HUT)のやり方とは|メリット・デメリットや謝礼費用・事例について解説

シニア向け製品やサービスの開発・改良を行う際に、ホームユーステストを行う企業も多いでしょう。しかし、「テストのやり方」や「シニアの特性」を理解したうえで実施しなければ、思うような効果が得られない可能性があります。
そこで本記事では、シニア向けのホームユーステストを成功させたい人に向けて、やり方・費用相場・メリットなどについて解説します。活用事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
コスモラボのホームユーステスト
コスモラボのホームユーステストは、「新商品をリリースする前の検証」「既存商品の改善点を知る」「使いやすさの調査」など、様々なシーンで活用されています。医療機器販売を行うコスモヘルスグループが提供するサービスであるため、シニアに関する独自のノウハウをもつことも強みです。
また20万人という多くのシニア会員を有するため、調査したい年齢層・性別・地域・ライフスタイルなど、特定の条件に合ったモニターを選定できます。多様な層からデータを収集できるため、統計的にも信頼性の高い結果が得られ、偏りの少ない客観的なデータの提供が可能です。
コスモラボのホームユーステストの調査項目例
コスモラボのホームユーステストでは、多様な調査が可能です。ここでは、主な調査項目について解説します。
①自宅などで製品を試してもらう
ご自宅に製品を送り、実際に試してもらいます。日常の生活環境で一定期間試してもらえるため、調査会場で一時的に使用してもらうよりも詳細でリアルな感想を入手できます。「効果が実感できるか」「使い続けて不満はあったか」など、長期的に使ってもらった使用感のフィードバックがいただけます。
~例~
新作のスキンケアクリームを1週間使用してもらい、肌の状態やテクスチャの満足度を評価していただきます。
② 自社製品と競合製品を比較する
ホームユーステストでは、自社製品と競合製品を同時に送り、両者を比較検討してもらうことも可能です。「どちらがどのような部分で好まれるか」や「違いが出る部分」などを、比較していきます。
~例~
自社とA社の洗濯用洗剤を交互に使ってもらい、汚れの落ちやすさや香りの満足度を判断してもらいます。
③ 再度購入したいかを判断してもらう
製品やサービスを展開するのであれば、リピートしてもらいたいのは当然でしょう。ホームユーステストでは、「今後も購入・利用したいか」や「どういった条件であれば再購入できるか」などについて本音を探ります。
~例~
冷凍食品を食べてもらい、味・食感・調理のしやすさなどを聞いたうえで、どういった部分が改善されれば再び購入したいかを教えてもらいます。
④ パッケージや取扱説明書の効果を検証する
パッケージの扱いやすさや、説明書のわかりやすさは、購買意欲や満足度につながります。ホームユーステストでは、開封のしやすさや取扱説明書のわかりやすさについて、率直な意見を集められます。パッケージや取扱説明書の効果検証は、トラブル要素の発見にも繋がります。
~例~
レトルト食品を調理してもらい、実際に食べていただきます。そのうえで、「袋は開けやすいか」や、説明書を読んで「迷わず調理できたか」などをチェックします。
⑤ 使用中の課題や不満を見つける
製品やサービスを一定期間で使ってもらい、改善してほしい部分や、モニターが不満に思う部分を教えてもらいます。課題や不満を見つけるなかで、予想していなかった使用方法を発見することもあるでしょう。
~例~
折りたたみ式の歩行器について、折りたたむときなどで、困っていることや改善してほしい部分がないかをチェックします。調査の結果、多くのシニアが歩行器を買い物かごの代わりに使用していると判明しました。
⑥ ターゲットユーザーの隠れたニーズを探る
自宅で製品・サービスを使ってもらい、どういった部分に価値を感じるかを調査します。ニーズを探ることで、製品の訴求ポイントを把握でき、マーケティング戦略の手がかりを得ることにつながるでしょう。
~例~
「サプリは続かない」という意見が多く聞かれるため、なぜ続かないかを調べるために、朝食時にサプリメントを摂取してもらいます。
ホームユーステストとは?
ホームユーステスト(HUT)とは、自宅などで商品やサービスを試してもらう調査方法です。飲食物を試飲・試食してもらったり、特定のサービスを利用してもらいます。時間や場所の制約を受けにくく、対象者が高齢者でも参加してもらいやすいことが特徴です。
ここでは、ホームユーステストについて、代表的な6つの内容を紹介します。
ブランデッドテスト
ブランデッドテストとは、参加者に商品名やブランド名を教えて行う調査方法です。実際の市場では、消費者はブランドイメージという先入観をもって、商品を選択することが多いでしょう。そのため、ブランデッドテストを行うと、ブランドへの信頼感や期待値を含めた総合的な評価が可能になります。
【ブランデッドテストが向くケース】
・認知度が高い商品のリニューアル
・既存ブランドの新製品ラインナップを追加するとき
・ブランドイメージと製品の整合性を確認したい
ブラインドテスト
ブラインドテストとは、モニターに対し、商品名やブランド名を知らせずに行うテストです。先入観を与えずに調査するため、「商品やサービスに対する純粋な意見をもらえる」「ブランド情報に影響されない」などのメリットがあります。
【ブラインドテストが向くケース】
・競合製品との品質を比較したい
・ブランドイメージを一新したい
モナディックテスト
モナディックテストとは、各自に「1つの商品のみ」を試してもらうテスト方法です。例えば、最初に試したもののほうが高い評価を受けやすいもの(例:ビール)などで、活用されるケースが多いです。
【モナディックテストが向くケース】
・類似商品を比較したい
・既存商品の改善点を知りたい
直接比較法
直接比較法は、複数の商品を使用してもらう調査手法です。例えば、健康食品の食べ比べや歩行器の比較などで活用されます。直接比較法には、以下の2つの方法があります。
シークエンシャル・モナディック法
シークエンシャル・モナディック法とは、複数の商品を1つずつ試してもらうテスト方法です。すべての商品を試し終えたら、最後に評価を行います。
【シークエンシャル・モナディック法が向くケース】
・育毛剤など、効果の変化を測定したい
・複数商品の比較をしたい(例:2つの歯磨き粉を1週間ずつ使ってもらう)
プロトモナディック法
プロトモナディック法とは、複数の商品やサービスを用意したうえで、最初に試す商品・サービスを基準として比較するテスト方法です。1番目に試した商品・サービスを絶対評価とし、残りの商品を相対評価します。初めの印象と使用後の印象について、変化を把握できるでしょう。
【プロトモナディック法が向くケース】
・第一印象が重要される商品の課題を調査したい
・競合商品から乗り換えてほしい商品がある
ホームユーステストのメリット
ここでは、ホームユーステストを行うメリットについて解説します。主なメリットは、以下の通りです。
実際に使ってもらった意見を聞ける
普段の生活環境で商品やサービスを使ってもらうからこそ、机上の調査では得にくい「リアルな感想」や「正直な意見」を集めやすくなります。例えばファンデーションであれば、ファンデーションをつけた朝の使用感や、夜にファンデーションを洗い流すときの状態など、多様なシチュエーションでの意見をもらえるでしょう。
場所の制約が少ない
ホームユーステストは、決められた場所に集まってもらう必要がなく、自宅などで行えます。普段の生活環境で実施することから、移動や外出の必要がありません。外出が困難なシニアや、体力に不安があり外出を控えるシニアにも、参加してもらいやすいでしょう。
途中経過の情報も収集しやすい
会場調査でも、複数日にわたって訪問してもらえば、経過観察は可能です。しかしシニアの場合には、何度も来場してもらえるモニターは少ないことから、途中経過の情報を収集しにくいでしょう。一方のホームユーステストでは、自宅で行うという特性上、シニアに参加してもらいやすいと言えます。一定の参加者が見込まれるため、途中経過の情報を収集しやすいでしょう。
商品を好きになってもらえる可能性がある
ホームユーステストで商品やサービスを使った結果、その魅力を知ったことで、ファンになった人も多く見受けられます。ファンになってもらえれば、テスト終了後も購入や利用してもらえる可能性があります。よい体験を通じて商品を好きになってもらえれば、口コミによる拡散効果も期待できるでしょう。
ホームユーステストのデメリット
ホームユーステストにはメリットがある一方で、デメリットも存在します。実際にテストを行う場合には、デメリットを理解したうえで実施するとよいでしょう。
途中で中断されてしまうことがある
どれだけ準備をしても、参加者が途中で辞めてしまうことがあります。「体調を崩した」「予想以上に面倒だった」など、理由は様々です。辞退者が増えると、調査結果に影響を与えかねません。そのため、参加者のモチベーションを維持できる工夫が求められます。責任をもって参加してもらえる仕組みづくりや、中断者が出た場合にも、調査を続けられるような準備も必要です。
使用状況の完全な把握はできない
ホームユーステストは、参加者の自宅という「主催者から見えない空間」で行われるため、実際の使用状況を完全に把握することはできません。その結果、想定外の使い方をされている、不適切な環境で使用されるなどの可能性もあるでしょう。
使用状況が見えない状況下でも、できるだけ客観的なデータを収集するには、ビデオ録画や日記形式での記録をお願いするなどの工夫も必要です。
情報漏洩に注意する必要がある
場合によっては、参加者に「新商品の内容」や「会社の機密情報」を共有する必要があるでしょう。重要情報が外部に漏れると、発売前にライバル企業に情報が伝わってしまうなど、重大な事態になりかねません。そのため、モニターに向けて「情報漏洩をしない」と約束してもらうことが大切です。情報漏洩が発生すると、企業やモニターにどういった悪影響があるかも説明するとよいでしょう。場合によっては、「機密保持契約の締結」を実施します。
商品の発送・回収の手間がある
ホームユーステストは、参加者の自宅に商品を送り、テストが終わると商品を回収する流れが一般的です。そのため、商品の発送や回収に手間がかかる傾向にあります。特にシニアが相手の場合、「返送に手間取る」や「返送を忘れられる」など、返却がうまくいかないケースも見受けられます。返却されない場合には、催促連絡といった手間もかかるでしょう。
少しでも負担を減らせるよう、業者による回収サービスを利用することも一案です。
シニア向けホームユーステストの手順・やり方
ここでは、シニアに向けたホームユーステストの手順・やり方について解説します。以下のステップに沿って、テストを進めるとよいでしょう。
調査内容を企画する
まずは、骨組みとなる調査内容を企画します。企画を用意するにあたり、何を明らかにしたいのかといった目的を明確にすることが大切です。
例えば、新しい関節サポーターを開発したので、リリース前に消費者目線での使い心地を知りたいなどと具体化します。そのうえで、調査の期間・回答形式・評価項目などを決めます。シニアにホームユーステストを行う場合には、1日に回答する項目数は少なめにするなど、負担を軽減する必要もあります。
調査の種類を決定する
次に、目的に合った調査方法を選びます。例えば、健康食品や化粧品のように、効果が段々と現れる場合には、日記形式の調査が合うでしょう。「置き場所を確認したい」「困りごとが発生する瞬間を捉えたい」などの場合には、写真や動画による記録方法も適します。
また、複数の方法を組み合わせることも有効です。例えば服薬管理ツールのテストで、日記・写真・インタビューを組み合わせれば、続けて使った感想や改善点を把握しやすくなります。
スクリーニングを行う
テストの質を向上させるために、適切な参加者を選ぶことが大切です。スクリーニングを行う際には、調査目的に合わせた基準を設け、基準に合った人を選ぶ必要があります。例えば、関節サポーターを試してもらいたいなら、「膝の痛みを感じる70代の女性で、毎日外出する人」といった具体的な条件設定をします。
ターゲットを絞った後に、事前アンケートや電話インタビューを実施し、「本当にターゲットとしてふさわしいか」をチェックすることも大切です。
テストで使う商品を送る
調査対象のモニターを決めたら、モニターにテスト商品を発送します。テスト開始日の1週間前を目安に発送するとよいでしょう。1週間前ごろに発送することで、余裕をもたせられますし、万が一の発送事故があっても対応できます。1か月前など、あまりに早い段階で送ると、商品の紛失といったリスクもあるため注意が必要です。
テストを実施する
テスト開始直後は、モニターが疑問や不安を抱えることも多いでしょう。そのため、電話やメールで「商品の使い心地はどうですか?」「記録は順調ですか?」などと、状況を伺うことが大切です。また、体調を崩す人や急な予定が入る人もいるため、テストの継続が厳しくなった場合の対応策も、事前に準備しておきましょう。
アンケートを回収する
アンケートの回収も、忘れてはならない重要プロセスです。回収方法は、郵送・オンライン・業者を使った直接回収などがあり、状況に応じて柔軟に対応しましょう。
また、アンケートの回収率を上げる工夫も欠かせません。回収日の2日前にリマインドをしたり、返信用封筒を同封したりするなど、方法は様々です。
データを分析する
集めたデータは、そのままでは全体像が見えにくいことがあります。データを適切に分析することで、調査目的に有用な情報を得やすいでしょう。またアンケート結果を、年齢層・性別・生活スタイルなどのカテゴリごとに分析することで、新たなニーズが見えることがあります。例えば同じ健康食品でも、「60代の女性」と「70代の女性」では、商品への評価ポイントが異なるケースが多いでしょう。
シニア向けホームユーステストの分析方法
データの分析方法は、1つではありません。定量データへの分析から定性データまで、様々な分析手法を駆使することで、最適なデータになっていきます。
ここでは、シニア向けホームユーステストの分析方法について、代表的な内容を紹介します。
定量データの分析手法
定量データは、評価スコアや使用頻度など、具体的な数値で表現できるデータです。定量データの分析方法として、以下のような内容が挙げられます。
【平均値・標準偏差】
データの全体的な傾向と、回答のばらつきを把握します。
(例)商品の使いやすさを5段階評価した平均が3.2点、標準偏差が1.5点と算出する。
【クロス集計】
属性別に比較をします。
~例~
70代以上の女性は、「ボタンの押しやすさ」に対して不満が多い。対する60代男性は「操作手順の複雑さ」に不満を感じる傾向がある。
【相関分析】
それぞれのデータについて、関連性を把握します。
~例~
「文字の見やすさ」と「総合満足度」の相関係数が0.8と高く、表示改善が必要だとわかった。
【回帰分析】
要因について、分析します。
~例~
「操作性」「デザイン」「機能性」のうち、どの要素が購入意向に影響しているかを数式で示す。
定性データの分析手法
自由記述やインタビュー記録などの「定性データ」を分析する手法として、以下のような内容が挙げられます。
【テキストマイニング】
テキストデータから単語や文節を抽出し、出現頻度や関連性を分析します。
~例~
商品レビューから「掴みにくい」「滑りやすい」などの単語の出現頻度を集計し、握りやすさに関する改善点を特定する。
【KJ法】
似た意見をグループ化して、全体の傾向を可視化します。
~例~
「手が小さい人には重い」「指が曲がりにくい人には押しづらい」などの意見をグループ化して、「身体の制約による使いにくさ」というテーマを見出す。
【コンテンツ分析】
収集したコメントを、特定のテーマやカテゴリに分類して整理します。
~例~
高齢者のコメントを「使用場面」「不満なこと」「工夫したこと」などのカテゴリに分類して、製品を使う際の具体的な課題を特定する。
【グラウンデッド・セオリー・アプローチ】
収集したデータから、新しい概念やモデルを作ります。
~例~
シニア層のスマートフォンにおける使用状況を分析し、「段階的に操作を理解するプロセス」など、高齢者が製品を理解する流れについて導き出す。
ホームユーステストの費用相場や謝礼
ここでは、ホームユーステストを行う際の「費用相場」や「謝礼」について解説します。
シニア向けホームユーステストの基本費用構造
ホームユーステストでは、以下のような費用が発生します。
・調査設計費
・実施運営費
・分析費用
・参加者への謝礼
10名前後の小規模調査では、上記の費用全てを含み、「総額50〜100万円程度」が相場です。30名以上の大規模調査になると、総額で150万円以上かかる傾向にあります。また、後期高齢者や特定の健康状態の人を集めるなど、特別な人をリクルーティングする場合には、さらに費用が高くなることも多いでしょう。
参加者への適切な謝礼設定
参加者への謝礼相場は、短期調査(1~3日ほど)では、5,000〜10,000円程度が主流です。1週間程度の調査では、10,000〜15,000円程度の謝礼を設定する傾向にあります。2週間以上におよぶ長期調査では、15,000〜30,000円程度が相場です。
また、あまりに高額な謝礼は、よい回答をしなければならないとプレッシャーをかけることがあります。生活に困窮する人が集まりやすいなど、参加者に偏りを生じさせる可能性もあるので注意が必要です。
コスト削減のポイントと注意事項
コストを抑えるためには、最適な調査規模を見極めて、必要最小限のサンプル数に絞るとよいでしょう。必要以上のサンプルで調査を行うと、コストが無駄にかかります。また、既存会員からリクルーティングを行えば、広告費や仲介手数料を削減できます。ただし、コスト削減のために参加者への謝礼を下げすぎることは、避けた方がよいでしょう。参加者が集まりにくく、辞退率が高まる可能性もあるからです。
シニア向けホームユーステストの活用事例
ここでは、シニアに向けてホームユーステストを行った事例について紹介します。テストを行う際に、参考にするとよいでしょう。
健康機器メーカーA社の事例
医療機器メーカーA社では、高齢者向けの血圧計を制作・販売しています。さらに使いやすくして売上を増やしたいと考え、70代を中心とする高齢者に、ホームユーステストを実施しました。
実際のテストでは、従来モデルより文字を30%大きくし、「ボタン配置を単純化した試作機」を2週間使用してもらいました。その結果、操作ミスが従来より60%も減ったのです。テストに参加した人からは、「朝の測定がしやすくなった」という声が多く寄せられました。「血圧計を片手でもち上げられない」という予想外の課題も浮上し、据置型スタンドの開発にも繋がりました。
高齢者向け食品を開発するB社の事例
食品メーカーB社は、高齢者でも簡単に調理できる冷凍惣菜を開発する際に、65歳以上の単身・夫婦世帯15組を対象にホームユーステストを実施しました。テスト期間中、参加者には3種類の試作品を自宅で調理してもらい、実際に食べてもらいました。同時に、調理や試食での感想も記録してもらいました。
その結果、想定以上に「硬い食材が避けられている事実」や「パッケージが開けにくい」ことが判明しました。やわらかさをアップし、パッケージの切り込み位置を改善した冷凍食材を販売したところ、当初の予想より20%も売上が伸びました。
スマートフォンアプリサービスC社の活用事例
オンラインバンキングのアプリを提供するC社は、シニア層の満足度アップを目指し、25名のシニアを対象にしたホームユーステストを実施しました。参加者には2週間、日常的な振込や残高確認などの操作を行ってもらい、つまずいた点を記録してもらいます。テスト結果から、「タップできる領域が小さい」や「用語がむずかしい」などの課題点が判明しました。テスト結果を受け、ボタンサイズを1.5倍に拡大し、バンキング用語には自動的に説明が表示される機能を追加しました。すると、アプリ継続率が40%もアップしました。
ホームユーステストには「目的達成に向けた設計力」が必要
ホームユーステストを行う際に、目的が定まっていたとしても、目的に向かうまでのプロセスが適切でなければ、なかなか成果は得られません。
例えば、シニア向け健康食品のホームユーステストを行う場合、「商品の改善点を見つける」目的なら、使用プロセスを細かく記録できる日記式のテスト設計や、具体的な不満点を引き出す質問構成が必要です。一方「市場での反応を知る」目的なら、より自然な使用環境での長期テストと、購入意向や満足度を測る定量指標の設計が求められます。
テストを成功させるには、適切なタスク設計・記録方法の選定・フィードバック収集の仕組み作りなど、目的に合わせた設計プロセスが不可欠です。専門知識が必要な場合は、リサーチ会社の活用も検討しましょう。
シニア向けホームユーステスト(HUT)に強いコスモラボなら、製品・サービスの質を高められます
シニア向けのホームユーステストを成功させるには、シニアの特性を踏まえた調査設計が求められます。しかし自社でホームユーステストを行う場合、適切なリクルーティングやコミュニケーション方法など、課題に直面しやすいことも事実です。
シニア層のホームユーステストを成功させるには、シニアマーケティングに強みをもつ、コスモラボにお任せください。シニア層に詳しい専門の調査員が、高齢者に寄り添った価値ある調査を実現します。詳しい内容を知りたい場合には、以下より無料の資料をご請求ください。